時には「No」と言ってもいいんだよ
私たちは、肯定の時代に生きています。世の中はすべて順調で、人生は大いに満喫するもの。そして、人は誰でもがかけがえのない存在。その典型はといえば…。 バイラルメディアの「Buzzfeed」に代表される心温まるポジティブ志向です。ここでは、「いいね」と肯定するか、おそらくその後で始まる「楽しくやろうぜ!」という熱狂的な大合唱しか受け入れられません。否定の言葉を書き込もうにも、「ヘイター」や「荒らし」として叩かれてしまうリスクがあります。

不安が生み出す「Yes」文化
多くの人が、「No」と言うことで、自分が役立たずでやる気のないチームプレイヤーであると思われることを恐れています。ネガティブな人間であると烙印を押されること、あるいは「No」のひとことが、ビジネスチャンスへの扉を開くのではなく閉ざしてしまうかもしれないことが怖いのです。

「No」とは、パソコンの端末で行う無意味な作業を否定し、顧客エンゲージメントの新たなツールを追求するための答なのです。

しかし、その方程式を組み立て直してみてください。すると、「No」という言葉には、エンパワメントの効果があることに気付くはずです。パートナーの目標に適さない作業を拒否することにより、この「No」は、業務内容を明確にカスタマイズし、自社の得意分野を際立たせることに役立ちます。それにともない、自社の専門知識を評価してくれる顧客に対して提供できる情報の範囲も広がります。結果として、無数の雑用を片付けるためにデスクトップにしがみ付く必要がなくなり、戦略的な作業に専念できるようになるのです。

先入観に「No」を突き付ける
「No」という言葉は、既成事実を根底からくつがえす力を持っています。たとえば、大学を卒業したばかりの新入社員が、1998年辺りのアナログ時代に構築したプロセスを改善するために突き付ける「No」を想像してみてください。この「No」は、自社のオファーに妥協を強いる昨今のコンプラインス注意事項を跳ね返す言葉です。さらにこの「No」は、顧客の商品選びを真剣に手伝いたいと考える企業姿勢を、ウェブサイトに追加したライブチャット機能を使って見せていくべきだと主張する言葉です。

生命保険市場の先入観に対する「No」とはすなわち、「市場の成熟が成長に限界をもたらす」という考え方に対する否定を意味します。「No」とは、パソコンの端末で無意味な作業を行うかわりに、顧客エンゲージメント強化を目指して新たなツールを開発し、関連性の高いインサイトを掘り起こすために優れたデータ分析法を確立し、疲弊した顧客リストを甦らせるためにクリエイティブや商品を改善し、さらに購買と解約の傾向を予測するために確かなモデルを構築するための言葉なのです。ポジティブな行動により潜在的な価値を見出し、成長を実現していくために。